時代劇画のふんどし。
- 2006/11/14
- 12:06
最近、小池一夫+ケン月影の傑作時代劇画「葬流者」(ソールジャー)が復刻されたので紹介したいと思います。
ならず者を養成して全国に放ち、幕府転覆を狙う尾張藩に一人立ち向かう刑波之進(おさか・なみのしん)の孤独な闘いを描いた名作です。”過去を葬り今日を流れる”という意味の「ソールジャー」という特異なネーミングからして小池節全開! 艶っぽいケン月影の筆致が冴えてます。
なんといっても最高なのは、第4巻~第6巻にかけて登場する男装のヒロイン・下刈り半次郎こと桔梗(ききょう)。自らの太腿に波之進の名を彫り込むほど惚れてつきまとう一途な美女なのです。もちろん下着はさらしとふんどし。走るシーンではすぐ着物の尻を絡げてふんどしのお尻を出しますし、風呂場でふんどしを解くシーンもあり、見所も一杯です。その最期も船の舵に必死でしがみつきながら、さらし&ふんどし姿のまま絶命するという壮絶なもの。
こんな名作は絶対、映像化すべきです! どこかの会社がやってくれませんかねぇ…。
ラブコメなんか描いてたのも今は昔、すっかり本格劇画家として大成した森秀樹の「ムカデ戦旗」も傑作です。この第5巻には主人公のくノ一・てんがふんどし一丁で川に飛び込む名シーンがあるのです! むちむちとしたお尻の質感がたまりません。
情念の人・ジョージ秋山の「岡っ引き天牛」もオススメです。
第1話から女性の死体に「怨」の字の入ったふんどしを締めさせる犯人が登場。ふんどし海女の村に聞き込みに向かう話もあり、さりげなくふんどし登場率が高いのがポイント。さすが巨匠、わかってらっしゃる!
「ゴルゴ13」で有名なさいとうたかをプロ出身の武本サブローの作品にも何故だかふんどしは多いです。
「ホタル」では主人公・ホタルが旅芸人の一座に紛れ込み、男装するシーンでさらし&ふんどし姿を見せてくれます。「女忍者・蘭」でも主人公・蘭が敵に捕らわれて忍び装束を脱がされるシーンがあり、頭巾とふんどしのみで立ち回りしたりするのがたまらないですね。ただ「ゴルゴ」調のごつい絵柄なので、正直あまり萌えません。
当美術館認定「ふんどしコミックの元祖」こと永井豪の時代劇コミックといえば、この2作に尽きるでしょう。
まずは「水戸黄門」のパロディ作「ハレンチ紅門マン遊記」。水戸光圀の娘・紅姫が男装して紅光乃介(くれない・みつのすけ)と名乗り、父に代わって諸国を漫遊するというお話です。
この作品が素晴らしいのは、紅姫は葵の印籠のかわりに葵の御紋の入ったふんどしを締めているという点! 「控えおろう!」とやる度にお供のスキさんカキさんに袴を引きずり下ろされてふんどし姿を公衆の面前に晒すのです! なんという素敵設定! 同じく男装して一行を陰から護る双子の姉も登場、入浴シーンや夜這いをかけられるシーンもあり、ふんどし的見せ場は満載。アニメビデオ化もされているので、原作ともども再発が待たれる大傑作です。
そして2001年に描かれた「戦群」(せんぐん)もナイスです。吉川英治の「神州天馬侠」(しんしゅうてんまきょう)をベースに、織田信長に滅ぼされた武田勝頼の遺児・伊那丸(いなまる)と彼を助ける勇士達の活躍を描いた大冒険活劇。
ヒロイン・咲耶子(さくやこ)・くノ一・女海賊とふんどしを締めた女性キャラが3人も登場するので見せ場はバッチリです。主人公のふんどし姿まで出てくるので、美少年キャラ好きにもいいかもしれません。
かつてふんどしコミックの名作「臀撃(でんげき)おしおき娘ゴータマン」を描いた山口譲司(やまぐち・まさかず)が現在描いている「おしとね天繕」にもふんどし少女が定期的に出てきます。
筆者的には剣豪少女・柳生烈桃(やぎゅう・れつとう)とくノ一・霧影銀狐(きりかげ・ぎんこ)の立て膝ふんチラが両方収録された第3巻がお気に入りですね。