鬼六物+α。
- 2007/03/29
- 00:59
今回は鬼六物を中心に紹介してみます。まず、遂にDVD化された小沼勝監督の傑作「貴婦人 縛り壷」(1977)から。この作品は見たかったのでうれしい復刻でした。詳細はこちらをご覧下さい。
谷ナオミ扮するヒロイン・浪路(なみじ)は、筆者も愛してやまない鬼六先生の時代劇SMの最高傑作・「鬼ゆり峠」のヒロインと同じ名前じゃありませんか! それだけでもう期待度が高まります。
注目は裸馬に乗せられての全裸引き回し~赤ふん姿での磔シーン。ひときわ凄惨なイメージで、同じく時代劇SMの名作・「無残花物語」のクライマックスを彷彿させます。かつての恋人・吉野の目の前で辱めを受けたショックで気を失うと水をぶっかけられ、さらに磔のまま赤ふんを切り落とされるという描写が最高です。谷ナオミの美しさとせつなそうな表情が素晴らしい!
締めているふんどしの形状ははっきりしませんが、はずれやすい本物の越中ではなく撮影用の見せふん。前垂れをつけたもっこ褌か何かのようです。
共演の渡辺とく子も妖艶な雰囲気で、どこか大映の「眠狂四郎」シリーズにも通じる暗さと退廃感が素敵でした。
次は昨年公開され、話題を呼んだ坂上香織の「黒薔薇夫人」(2006)。感想は既に別記事で何度か書いたので繰り返しませんが、石井隆版「花と蛇」の縮小再生産といったかんじの小粒な作りで、残念ながらあまり新鮮味はありません。
坂上嬢が締めているのは赤六尺。締めている時間はけっこう長くて、からみのシーンでも締めたままです。でもこれはやっぱりヘア隠しの手段としてふんどしが使われただけでしょう。全体に印象的なシーンも少なく、藤原健一監督にはもっとふんどしに対してこだわりを見せてほしかった気がします。
そしてグラドル・紗那(さな)の新作・「NINE Special 緊縛」。以前取り上げた作品「潤い」(2006)で着用していたのは縄を貼り合わせたパンツ状の縄ふんどしでしたが、今回は本格的な股縄です。緊縛師も呼んできてガチンコです。ばっちり食い込んでます。ローターを当てたり、張り型までぺロぺロしてます。あの青木りんがそうだったように、もはや彼女がAVに行くのも時間の問題という気がしました。
個人的には縄が食い込んだたぷたぷのお腹のアップがちょっとアレでした。できればもう少しダイエットしていただけるとうれしいです。
最後は「ひばり十八番 弁天小僧」(1960)を。あの国民的大歌手がふんどし姿を見せてくれる貴重な作品です。彼女の時代劇主演作では唯一じゃないでしょうか?
女装がばれた弁天小僧菊ノ助が居直り、「知らざぁ言ってぇ、聞かせやしょう…」と啖呵を切る名場面で、実はふんチラしているのです。眉毛もくっきりとした男顔なので菊ノ助がよく似合ってますね。女性が男役を演じてさらに女装する…という倒錯した構図が筆者好みなのです。せっかくの時代劇ブームなんですから、もっとこういう素敵な作品をリメイクして欲しい!
着用しているのは本物のふんどしではなく、時代劇で使われる見せふんの「下がり」です。正直あまり萌えない、という方もいらっしゃるでしょうが、女性が下がりを着用すること自体が非常にレアなんですよ。
共演も若き日の若山富三郎、里見浩太郎、山形勲と豪華で、古きよき時代を偲ばせる東映娯楽時代劇です。監督は佐々木康。詳細はこちらをどうぞ。