鬼六作品の褌。
- 2006/04/12
- 17:31
団鬼六先生といえば日本のSM界を語る時、決して避けて通ることのできない巨人。その膨大な作品群にもふんどしがちょくちょく登場します。
ご本人はそれほど好きというわけでもないようですが、ふんどしにも大変理解があり、ファンの要望に応えて映画化された時のシナリオにふんどしシーンを書き加えたことがあるとエッセイでも書かれています。今回はそんな鬼六作品の映像化からふんどしシーンを紹介してみましょう。
「団鬼六 女教師」は「花と蛇」(2004)でも女ボディガード役をこなした未向(みさき)が再び鬼六作品に挑んだオリジナルビデオ。ちょっとあっさりしてますが、全体に透明感のある美しい撮影が印象的な佳作です。彼女は足が紫色に変色するほどのハードな吊りにも耐え、役者根性を見せつけてくれます。
その吊りのシーンで締めているのが上の赤ふんです。縦褌もよくねじられ、なかなかいいかんじですが、多分本式の六尺ではなく「花と蛇2」でも使われた極細越中の前後逆締めか、普通の越中の縦褌をねじったものと思われます。それに局部隠しのために急遽締めたような唐突な展開で登場時間も短いのが残念。もっと本格的SM作で、きっちりと六尺を締め込まれて羞恥に顔をそむける彼女が見てみたいものです。
西村昭五郎監督が手がけた「団鬼六 白衣縄地獄」(1980)、これは傑作じゃないでしょうか。主演の麻吹淳子(まぶき・じゅんこ)と朝霧友香が調教を受け、SMパーティーに紅白ふんどしで出席するシーンがあります。クライマックスはふんどし姿のままで逆さ吊り~棒叩き~ローソクと容赦ない責めが続き、テンションも高いのでかなり興奮させてくれます。
彼女達が締めているふんどしは越中ですが、これは本物ではなく撮影用でもっこ型に前垂れをつけただけに見えます。簡単な締め方である越中が撮影中に外れたら困る、という配慮からでしょうか。
最後の「団鬼六 縄と肌」(1979)は谷ナオミの引退記念作。悪くはないのですが、少々マンネリというかどことなく疲れた印象もあります。肝心のふんどしシーンも暗い上に短いので残念無念です。締めているのは赤越中ですが、多分外見だけそれ風にした撮影用でしょう。
こうしてみるとにっかつの諸作品に登場するふんどしは越中、それも撮影用というパターンが多いことに気がつきます。それを考えると作品の出来に対する賛否両論はあるでしょうが、まがりなりにも本式の六尺褌を締めてハードな責めを展開した石井隆監督の「花と蛇」(2004)は高く評価していいのではないでしょうか。
にっかつのライブラリーにはこの他にも谷ナオミの「お柳情炎 縛り肌」、「檻の中の妖精」(赤ふんで三角木馬)、「貴婦人 縛り壷」(赤ふんで磔)という3作、そして幻の名作?「色情海女ふんどし祭り」など、ふんどしシーンのある未DVD化作品が多数ありますから、今後の再発に激しく期待したいものです。