是か非か?
- 2005/12/13
- 16:42
さて今年の春に公開され、話題を呼んだ杉本彩主演のSM超大作『花と蛇2 パリ / 静子 』のDVD化です。
個人的にはそこそこ楽しめる作品でした。SMシーンにばかり重点が置かれ散漫な印象もあった前作に較べてストーリー性が高まった分、まとまりのある出来栄えです。特に遠藤憲一や宍戸錠の演技も素晴らしく見応えがありました。
肝心の責めのシーンも前作以上に和風テイストを強く打ち出しており、パリという異国との対比が効果を上げていたと思います。豆絞りふんどしを締められ磔にされるシーンも迫力がありますし、豆絞りふんどしからの失禁も本物でないとわかっていても楽しいものです。女武者に扮して嬲られるシーンも実に素敵でした。物語の前半で杉本彩がSM雑誌を朗読するシーンもよかったです。女性が「ふんどし」という単語を口にするのは、やはり萌えます。
そして、今回観ていて重大な事実を発見してしまいました。彼女がちゃんと六尺褌を締めているのは豆絞りだけで、他のシーンの赤ふんや白ふんは六尺ではなかったのです!!!
実は幅の細いT字帯を前後逆に締めて後で止めて六尺風に見せかけていたのです。どうりで変だと思った…。たしかに海老責めのようなポーズで固定してから六尺を締めるなんて物理的に難しいですから。撮影時にいちいち六尺を締める大変さも理解できますし、映画においてはこういう方法もありだとは思います。
時代劇映画の世界では着流しの下につけるニセの越中褌がありますし、第一これだって構造上はちゃんとした越中褌なのだから全然OKな筈です。しかし、それでも何となく騙されたような気がするのは何故でしょうか?
やはり六尺褌特有の複雑な締め方のプロセスを愛するファンとしては、あまりに着脱簡単な変形T字帯では萌えないのです。なまじ六尺だと信じていただけに、どうしても「裏切られた…」という思いを強く持ってしまうのです。ふんどしファンの勝手な思い入れですいませんが、もし次作があるのなら本物の六尺シーンを増やしてもらいたいものです。
この調子なら続編にも期待がかかります。その時は是非「無残花物語」「鬼ゆり峠」といった時代劇SMを原作にしてほしいものです。どちらも仇討ちの旅に出たヒロインがかえり討ちにあい、女郎屋に捕らわれて調教され、最期は処刑されるという寒々しいリリシズム溢れる傑作です。ストーリー性とハードさをさらに追求するのなら、もってこいの原作だと思います。女武者姿の杉本彩の磔を大スクリーンでもっと見たい。